江戸時代、将軍の居る所(御殿)を殿中と言っていたらしいです。
ちなみに「殿中でござる」という言葉がありますが、これは殿中で抜刀すると理由は問わず切腹という決まりがあり、"そのような決まりがあるのに抜刀するのは何事か=ご乱心召されたか"みたいな意味になるようです。
それと関係あるかは分かりませんが、ある日こんなお菓子を見つけました。
吉原殿中です。
見た目と名前からどんなお菓子か想像できなくて、興味本位で買ってしまいました。たまにはこういう博打的な買い方もいいですよね。
ちなみにこちら茨城県水戸市の亀じるし製菓株式会社さんが製造販売をしているお菓子でした。亀じるしさんのお菓子は以前、「みやびの梅」を紹介したことがあります。詳細は以下記事を参照してください。
公式HPにて吉原殿中の成り立ちは以下のように紹介されていました。
江戸時代末期に、水戸藩九代藩主・徳川斉昭公は農民が、日夜汗と泥にまみれ働く尊い姿に心うたれ、自ら青銅で作った「農人形」(農夫の像)に食事のたび、最初の一箸のご飯を供え五穀のありがたさと農民の労に感謝したそうです。
農人形にお供えしたご飯をもったいないと奥女中の吉原が、そのご飯粒を乾燥させ焼いて、きな粉をまぶして作ったものを斉昭公に召し上がっていただいたところ、質素倹約を説いていた斉昭公は大変喜び「吉原殿中」と名付けたと言われております。
ちょっと感動的な成り立ちですね。お米ときな粉なのでけっこう質素系なお菓子の印象を受けます。
パッケージ裏面は紹介文と栄養成分表示。
材料は水あめ、もち米、砂糖、きな粉とかなりシンプルです。水あめを使っているので、冬場は堅くなるお菓子のようです。その点にはご注意。
小分けパッケージは風呂敷で包んだような見た目です。和と古を感じます。
なんとなく積んでみました。これはサムネ用。
開けてみると透明な紙に包まれたポン菓子...?が姿を現します。表面からは香ばしいきな粉の香りがします。
透明な紙を剥がそうとしたら、ちぎれてうまく剥がれませんでした。
そりゃあそうでしょうねオブラートだもん(食べてみて気づいた
包丁で切ったのですが意外と固めで、切るのがちょっと怖かったです。
断面は米がみっちり詰まったような見た目です。
食べてみると、外側は少し固めでサクッとしていますが、中に歯が通るにつれて、食感が柔らかく変化していきます。おそらく体温で外装の水あめが柔らかくなっているのでしょう。不思議な食感のお菓子です。
味の面でいうと、最初はミッチリとしたきなこ棒という感じですが、柔らかくなるにつれてきなこ味の水あめみたいになります。駄菓子っぽくて懐かしさを感じるのも去ることながら、2種類のお菓子を味わえるお得感もあります。
難点は、外層の水あめ部分がとても歯に張り付く点です。食べた後はきちんと歯を磨きましょう。
皆さんもこの懐かしさを感じる不思議な食感のお菓子を食べてみてはいかがでしょうか?
それではまた次回のおみやげ紹介で!